森靖孝先輩のご逝去を悼んで
- 大久保直樹
- 2021年7月28日
- 読了時間: 3分
人生の目標としている大先輩が旅立たれてしまった。
御逝去の報を聞いたとき、私に真っ先に浮かんだ言葉はこれでした。
森さんと出会ったのは慶應義塾大学SIVアントレプレナー・ラボラトリーに私が着任した2006年の事、翌2007年には森さんが役員を務められている株式会社MMインキュベーションパートナーズへ入社し、森取締役の元、約6年間お仕事をご一緒させていただいていました。
着任当時の私は26,7歳ですから、ほとんど新入社員のようなもので、見るもの聞くものすべてが学びになる素晴らしい環境にいさせていただいた実感がありますが、実は、森さんに「鍛えていただいた」という記憶はほとんどありません。
私は年齢や経験が離れすぎていたからかもしれませんが、直接的にご指導をいただくというよりも、外部への連絡する際に私も入れていただき情報共有いただいたり、会議に同席させていただいたりと、仕事をする森さんの背中を見せていただく機会の方が多かったと思います。
私が森さんと仕事をご一緒したのはしょせん6年、7年という期間ですが、学生と一緒にコンビニおにぎりをお昼ごはんとしてほおばる姿や、居酒屋で学生たちとお酒をたしなむ姿、そして、役員以外の正社員が数名しかいなかったこともあって、非常に役員と社員との関係の近い会社にあって、会社の経営者としての森さん、支援者として、メンターとしての森さんの背中を見ることができたあの時間程、学びの多い時はなかったと確信しています。
今、ふと三田キャンパス近くの中華屋さんで、思いがけず二人で食事をすることになった時のことを思い出します。
森さんと出会ってからまだほどなくだったと思いますが、何らかのイベントの帰りだったでしょうか、たまたま森さんと二人になり、お茶でもしようかとお誘いをいただきその時たまたま空いていた中華料理屋さんに入ったのです。
「みんなが尊敬する偉大な森さんと二人」という思いがけない幸運に、緊張でがちがちになっていたところ、森さんは私に「何か聞きたいことはありますか」と聞いてくださり、私の質問に答える形で、中国でのお仕事の事、どのようなお考えで今のお仕事に取り組まれているか等、たくさんお話をしてくださいました。
私にとってあの日は、森さんが向けてくださった優しいまなざしと真摯な姿勢に心から驚くと共に、こういう人になりたいと目標を見つけた日でした。
森さんにもうお目にかかれないとは本当にさみしい限りですが、生前に森さんから頂戴した学びを必ず生かしていくことをお約束いたします。
森さん、本当にありがとうございました。どうぞゆっくりとお休みください。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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